「マーケットのテクニカル分析」第1章 - テクニカル分析の哲学- アウトプット

目次

テクニカル分析とは?

将来の価格の傾向を予測するために、主にチャートを使って市場の動きを研究すること

将来の価格は予測できないことを前提とする。
「未来」ではなく「現時点」の市場を分析して、将来に向けたわずかな兆候を察知することが重要

テクニカル分析の3つの前提

1 市場の動きは全てを盛り込んでいる(重要!)
2 価格はトレンドを形成する
3 歴史は繰り返す

1 市場の動きは全てを盛り込んでいる

価格に影響する可能性があるもの(心理、ファンダメンタルズ、政治的な事情等)は、全て市場価格に織り込まれている。

2 価格はトレンドを形成する

【値動きをチャート化する目的】:早い段階でトレンド形成を発見し、それに沿って売買するため。

形成され始めたトレンドは、反転するよりも持続する可能性の方が高い。
反転サインが出るまでは、トレンドに乗り続けることが基本的な手法

3 歴史は繰り返す

過去のチャートは投資家の心理の縮図(=パターンが見える)
人の心理は簡単に変わらないので
 「歴史は繰り返す」=「将来を理解することは過去を理解すること」=「将来とは過去の反復にすぎない」
言い換えれば、再現性がある!

テクニカル分析とファンダメンタルズ分析はどちらが優位?

テクニカル分析:「結果」から値動きを分析
ファンダメンタルズ分析:「原因」から値動きを分析(景気、金利、政治的要因、災害等)

市場価格がファンダメンタルズの先行指標となる。
ファンダメンタルズを含むので、「テクニカル分析」が優位

テクニカル分析には柔軟性と適応性がある

テクニカル分析はどのような銘柄(株式・先物)や時間枠(短・中・長期的)にも適用可
ファンダメンタルズ分析と比べて分析対象も限定的
分析対象の中でも「トレンド形成中のチャート」を中心に見ればよい。

テクニカル分析に対する批判

が起こるのではないか?
過去の値動きから将来を予測できるのか?

予言の自己成就

予言の自己成就とは
…根拠のない予言でも、人々がそれを信じてそのとおり行動すれば現実になること

自己成就派ねこ

よく知られたチャートパターンが出現したら、皆が同じような行動をして「買い」or「売り」の波が形成されるから、予言の自己成就が起こるのでは?

非自己成就派ねこ

いやいや、チャートパターンというのは主観的なもだから、同じチャートを見ても皆が同じ解釈・行動はしないはず。予言の自己成就は起こらないのでは?

どんなに経験を積んだトレーダーでも、パターンの解釈が一致することはあまりない。
テクニカル分析にはさまざまな手法がある。
同じチャートを見ても、トレーダーによって、仕掛けるタイミングも注文方法も違うし、トレーダーの性格(慎重さ等)によっても違う。
トレーダーの売り買いだけで、大規模な市場に影響を与えることは難しい(できたら皆がお金持ち)。
仮に、値動きに多少の影響を与えたとしても、市場に「歪み」を与える程度。
 チャートの歪みを発見したトレーダーは、トレードを見送るか、戦術を修正するので、チャートは自ずと修正されていく(自己修正)。

【結論】
全てのトレーダーが同じ行動をする可能性は極めて低い。
つまり、予言の自己成就は起こり難い。

本当に過去の値動きから将来を予測できるの?

すでに使われている予測手法のほとんどは、「過去データの研究」に基づいている(例:天気予報、ファンダメンタルズ分析)。
価格チャートは「推計統計学」1であり、チャート分析は「時系列分析」の一種である。

【結論】
テクニカル分析は、正当な統計学に基づいているため、将来予測の妥当性アリ!

  1. 特定のデータから推察・一般化・予測するための統計学。
    cf. 記述統計学:データの特徴や傾向を説明するもの。グラフや表として可視化する。 ↩︎

ランダムウォーク理論

ランダムウォーク理論とは?

価格の変化は「連続的に独立」しており、過去の価格は将来の値動きの指標としては信頼性がないという考え方。つまり、価格の変化は、ランダムなので予測不可能ということ。
最も優れた戦略は、「単純なバイ・アンド・ホールド」だと主張。

とはいっても、この理論は「パターンが存在しない」という証明にはならないよね?

そうそう。実際、チャートを見ると、明らかにトレンドが形成されているもんね。

トレンドフォローをすることで、利益を出している人はたくさんいるけど、これってランダム理論では説明がつかないよね。

そうそう。
結論としては、仮にパターンや法則性があっても、それを知らない人が見たら「ランダム」にしか見えないってことだろうね。

わかりやすい解説動画

「マーケットのテクニカル分析」をとてもわかりやすく解説している動画。
(こちらの動画は、先人に教えていただきました。感謝!!)
上記メモの参考にさせていただきました。

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