「マーケットのテクニカル分析」第6章 - 継続パターン- アウトプット

目次

継続パターンとは

横ばいの動き。現在進行中のトレンドの一時休止のこと。
継続パターン形成後、現在進行中のトレンドと同じ方向に動く。
継続パターンは通常、期間が短い。短期・中期のパターンである。
 (反転パターンは、トレンド転換までに長期間を要する。)

トライアングルパターン

対称トライアングル(コイル)

上昇トレンド中に現れたら強気パターン、下降トレンド中だったら弱気パターン
上辺は下向き、下辺は上向き
少なくとも4つの反転ポイントが必要。多くは6つの反転ポイントがある(1〜6)。
 ※3つの安値があることで5つの波が形成される(cf.エリオット波動理論)。
2本の収束するトレンドラインのどちらかが終値ベースで突破するとパターンが完成
左側の垂直線は、パターンの高さを示すベース、右側の交点が頂点

時間に制限があるトライアングル

パターンの完成は、ベースから頂点までの間に限られる
 (どこでパターンが完成するかが分かる。)
一般的にブレイクアウトするのは、パターンの幅(ベースから頂点まで)の2/3〜3/4辺りなので予測が可能
 3/4を過ぎてもブレイクアウトしない場合、パターンの潜在能力が失われつつあると考えられる。
  (通常、頂点まで揉み合い、頂点を超えても同じ動きを見せる。)
トレンドラインの突破(終値ベース)をもってトレンドに復帰する。
トレンドラインブレイク後に、トレンドラインまで逆行することがある。

【ブレイク後】
上昇トレンド:上辺のトレンドラインが支持線になる。
下降トレンド:下辺のトレンドラインが抵抗線になる。
頂点:重要な支持線水準/抵抗線水準となる。

出来高の重要性

トライアングル内で、 値幅が狭くなるにつれて減少傾向
トレンドライン突破時に顕著に増加、逆行時に減少、トレンド復帰時に再び増加
反転パターンと同様、下落時より上昇時に出来高の重要度が高い。
パターン形成中は出来高が減るが、順行時に増加し、逆行時に減少する傾向が弱いながらも見られる。

目標値の算出法

【手法1】
ベースの距離(A→B)をブレイクアウトポイント(C)に当てはめる。

【手法2】
ベースの頂点(A)を起点に、下辺のトレンドラインと並行なトレンドラインを引く。

上辺のチャネルラインが上値の目標値となる。
価格が上辺のチャネルラインに到達する時間も算出可(※2本のラインが交わる時間と同じになる傾向があるため。)

上昇トライアングル(直角トライアングル)

上辺は水平、下辺は上向き
 買い手が売り手より積極的であることを示す強気のパターン
通常、出来高の増加が伴う上へのブレイクアウト(終値ベース)で完了
支持線までの押しがよく起こり、このとき出来高は減少の傾向

目標値の算出法

ベースの距離を、ブレイクポイントに垂直方向に当てはめて算出(最小目標値)

底値圏での上昇トライアングル

上昇トライアングルは、上昇トレンドでよく出現するパターンだが、下降トレンドの終わりにかけて出現することも珍しくない。
上昇トレンド中に現れるときと同様、強気相場の表れ。
上辺のブレイクをもってパターンが完成する。

下降トライアングル(直角トライアングル)

上辺は下向き、下辺は水平
 売り手が買い手より積極的であることを示す弱気のパターン
通常、出来高の増加が伴う下へのブレイクアウト(終値ベース)で完成
その後、戻りも見られるが、下方トレンドラインが抵抗線として意識される。

天井圏での下降トライアングル

下降トライアングルは、下降トレンドでよく出現するパターンだが、上昇トレンドの終わりにかけて出現することも珍しくない。
価格が下辺を終値ベースで下抜くことが、重要なトレンド転換のシグナルとなる。

【自分メモ】

上昇トレンド中に下降トライアングルが出現することはあるのか?

下降トライアングル(Descending Triangle)は通常、下降トレンドの際に現れ、弱気なチャートパターンとして知られているが、上昇時にも出現する場合がある。

上昇トレンドの途中で出現
強い上昇トレンドの途中でも、下降トライアングルが形成されることがある。
この場合、通常の下降トライアングルと同様に価格が高値を切り下げる一方、一定の支持線(水平なトレンドライン)で反発する形が見られる。

トレンド継続パターン
上昇トレンド中に下降トライアングルが現れた場合、それは一時的な調整やトレンドの継続を示すパターンとして機能することがある。
これを「上昇トライアングル」と呼ばずに下降トライアングルとして扱うこともあるが、その後、上昇が続くことがある。

トライアングルのブレイク方向が重要
下降トライアングルが上昇トレンド中に形成された場合、ブレイクがどちらの方向に起きるかが鍵。
通常、下にブレイクすれば下降トレンドに転換するシグナルとされ、上にブレイクすれば上昇トレンドの継続と見なされる。

まとめ
下降トライアングルは主に弱気パターンだが、上昇トレンドの中でも現れることがあり、その場合はトレンドの継続や一時的な調整として解釈されることがある。
重要なのはブレイクアウトの方向を注視すること。

出来高のパターン

パターンが進行するにつれて、出来高が減少し、揉み合いからブレイクアウトしたときに出来高が増加
パターン形成中、出来高は順行時に増加、逆行時に減少する。

トライアングルパターンの時間的要因

トライアングルパターンは、中期パターンとされる。
通常、形成にかかる期間は1ヶ月〜3ヶ月未満である。
1ヶ月未満のトライアングルパターンは、別のパターン(ペナントパターンなど)の可能性が高い。

拡大型パターン(メガフォントップ)

珍しいパターン。
今までのパターン(トレンドラインが収束)とは異なり、トレンドラインが拡大する。
出来高も、今までのパターン(値幅が縮小するにつれて出来高減少)とは逆で、値幅が広がるにつれて出来高増
相場が制御を失い、非常に感情的なっていることを示す。
一般の取引参加者が異常に増加していることも表している。
一般的にメジャーな上昇相場の終わり近く(天井)で現れる。
通常、弱気を表すパターン

フラッグとペナント

よく現れるパターンで、継続パターンで最も信頼のおけるものの一つ。
 滅多にトレンド転換をもたらすことはない。

フラッグとペンナントは、パターンの形、出現場所、出来高、目標値の算出基準も同じなので、通常、一緒に扱われる。
急激な値動きの後に現れ、トレンドの一時休止を表す

形成の必要条件:直前に急激で直線的な値動きがある。
 鋭角的な上昇や下落があり、相場が呼吸を整えるために小休止をしてから、再び前のトレンドと同じ方向に向かって疾走する状況を表す。

パターン形成前に、出来高の増加を伴いながら相場が急伸し、その後、揉み合いとして一時休止状態となり、突然大商いを伴ってブレイクアウト

フラッグとペナントの構造

【共通点】
出来高は、パターン形成中に減少し、揉み合いからのブレイクアウト時に再び増加する。
比較的短期間で形成され、通常1〜3週間で完成
下降トレンドでは、さらに短い期間で形成される傾向があり、1〜2週間かからないこともよくある。
トレンドラインをブレイクすることで完成し、前の現在進行中のトレンドに復帰したシグナルになる。
トレンドラインのブレイクには、出来高の増加が伴う

形は、平行四辺形かレクタングル(長方形)で、トレンド方向とは逆向きに傾斜している。
フラッグは、値動きの中間点付近で現れる。

形は、2本の収束するトレンドラインで、水平に近い。対称トライアングルを小さくしたものに似ている。
ペナント完成後、価格はペナント完成前の値動きと同じ距離だけ動く傾向がある。

ペナントの実例

目標値の算出の基本的な考え方

旗竿(急激な上昇/下落)から「半旗の位置ではばたく」(値動き全体の中間点付近)と言われる。

パターン形成後は、パターン形成以前の値動きと同程度の距離を動く。
 現在のトレンドが始まったブレイクポイントからの距離を、フラッグ/ペナントのブレイクポイントを起点に当てはめて算出する。

フラッグ・ペナントのまとめ

1 直前に直線的な値動き(旗竿)が、大商いを作って現れる。
2 その後、値動きは1〜3週間停滞し、薄商いとなる。
3 出来高が急増し、前のトレンドに復帰する。
4 市場の動きのほぼ中間付近で現れる。
5 ペナントは、対称トライアングルパターンを小さくしたものに似ている。
6 フラッグは、現在進行中のトレンドとは逆向きに傾斜した平行四辺形のような形をしている。
7 下降トレンドの時の方が、形成に要する時間が短い。
8 金融市場では非常によく現れる。

ウエッジ

収束して頂点で交わる2本のトレンドラインによって形成されるパターン
形成期間は、1ヶ月以上で、3ヶ月はかからない(中期パターン)。
 ※形状や形成されるまでの時間は、対称トライアングルに似ている。

原則、現在進行中のトレンドとは反対方向に傾いているのが特徴

傾きは、トレンドと逆の下向きに傾斜
通常、強気を表す。

傾きは、トレンドと逆の上向きに傾斜
通常、弱気を表す。

天井や底での反転パターンとしてのウェッジ

トレンドの中では、継続パターンとして最もよく現れるが、天井圏や底値圏ではトレンド転換のシグナルにもなる。

【上昇トレンド中】
 下向きのウェッジ→上昇トレンドの継続シグナル

【下降トレンド中】 
 上向きのウェッジ→下降トレンドの継続シグナル

【天井圏】
 上向きのウェッジ→下降トレンドへの反転シグナル

【底値圏】
 下向きのウェッジ→上昇トレンドへの反転シグナル

レグタングルパターン(トレーディングレンジ、揉み合い)

トレンド内での一時休止を表しており、価格は2本の平行な水平線の間で横ばいに動く。
現在進行中のトレンド内での揉み合い期間
上辺/下辺のトレンドラインを終値ベースで抜けたらパターンが完成
パターン形成前のトレンドと同じ方向に進むことで完了

反転パターンに転化しないか、絶えず注意が必要!!
 ex.トリプルトップ/トリプルボトム

2本の水平なトレンドラインの間で揉み合う形となる。
3つの高値/安値が形成された場合は、トリプルトップ/トリプルボトムに転化しないか、常に注視が必要

出来高の重要性

上下のスイング幅がかなり大きいので、上下どちらに動いたときに出来高が増加したか注視しておくべき。
上昇トレンドで、上昇時に出来高が増加し、下降時に出来高が減少している場合、上昇トレンドでの継続パターンである可能性が高い。
上昇トレンドで、下降時に出来高が増加している場合、トレンド転換が近い警告と考えられる。

レンジ内でのスイングでトレードする

トレード①
 下落時にレンジの底値付近で買い、上昇時は天井圏でトレード
 短期トレードでは、特定された価格帯を利用し、トレンドのない相場でも利益を得られる。
 エントリーは、レンジの端なので、比較的リスクが小さい。
 逆張り中にブレイクアウトが起こった場合は、即損切りの上、新たなトレンドの方向に新規ポジションを建て、前のポジションをドテンさせることも可能

トレード②
 上昇トレンド内では、レンジの下値付近で新規買いポジションを取る。
 下降トレンド内では、レンジの上値付近で新規売りポジションを取る。

トレード③
 トレンドのない相場を避け、明確なブレイクアウトを待つ。

レンジでは、トレンドフォロー型のトレードは成績が悪くなるので注意
レンジでは、オシレーターが有効に機能するが、一度ブレイクアウトすると機能しなくなるので注意

その他の類似点と相違点

形成期間:1〜3週間(トライアングルやウェッジと類似)
出来高:広い値幅で価格が動くので、出来高の減少が起こらない(他のパターンと相違)
目標の算出法:価格レンジの高さを、ブレイクアウトポイントを起点に垂直に当てはめる。(他のパターンと類似)
ブレイクアウト時:出来高増加。その後逆行する。(他のパターンと類似)
上昇トレンドで上にブレイクアウトした場合、レンジの上値付近が、その後の押しに対して堅固な支持線となる。
下降トレンドで下にブレイクアウトした場合、レンジの下値付近が、その後の戻りに対して堅固な抵抗線となる。

メジャードムーブ(スイングメジャーメント)

2つの均等で並行な動きに分割されるメジャーな相場上昇やメジャーな相場下落のこと。
この分析方法がうまく機能するのは、相場がかなり秩序立っている場合である。

1つ目の上昇(AB)に続いて、トレンドと逆行する調整的な動き(BC)を見せ、その後ABと同じ上昇を見せる(CD)。
2つ目の上昇レグ(CD)は、1つ目の上昇レグ(AB)の大きさと傾斜を繰り返す
調整的なレグ(BC)は、上昇トレンドに復帰する前に1/3から1/2くらい押すことが多い。

メジャードムーブの実例

継続型ヘッド・アンド・ショルダーズ

反転パターンとして最も知られているヘッド・アンド・ショルダーズが、継続パターンとして現れることがある。
継続型ヘッド・アンド・ショルダーズは、横ばいのレクタングルパターンに非常に似通った値動きをする。

【レクタングルパターンとの違い】
上昇トレンドにおいては、その中間が他の2つの肩の安値より低くなる。
下降トレンドにおいては、揉み合い圏にある中間の高値がほかの2つの高値よりも高くなる。

確認とダイバージェンス

確認
 テクニカルのシグナルや指標同士を比較したときに、多くの指標が同一の方向を指し示し、お互いの一致を確認し合っていること。

ダイバージェンス
 確認の逆で、異なるテクニカル指標が、お互いの一致を確認できない状態のこと。
 目先のトレンドの転換を示す警告のシグナルのうちで、最も最初に現れる。

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