「マーケットのテクニカル分析」第2章 - ダウ理論- アウトプット

目次

ダウ理論とは

アメリカの証券アナリスト、チャールズ・ダウが考案したテクニカル分析理論

この理論を応用して、有名なダウ平均株価(鉄道株株価と工業株株価から成る)を考案

基本理念

1 平均株価はすべてを盛り込んでいる
2 市場には3種類のトレンドがある
3 メジャートレンドには3つの局面がある
4 2つの市場平均を確認する
5 出来高でトレンドを確認する
6 トレンドは明確な反転シグナルが出るまで効力を持つと仮定する

1 平均株価はすべてを織り込んでいる

テクニカル分析と同様に、平均株価には、株価に影響する可能性があるもの(人々の心理、ファンダメンタルズ要因、政治的事情、災害等)が全て反映されている。
つまり、チャートに全てが現れているということ。

2 市場には3種類のトレンドがある

1 メジャートレンド・プライマリートレンド
 1年〜数年続く「長期トレンド」

2 インターメディエイトトレンド

 3週間〜3ヶ月間続く「中期トレンド」
 一つ前のインターメディエイトトレンドの動きを1/3〜2/3程度調整する動きとなる。
 50%の調整が最もよく見られる。

3 マイナートレンド
 3週間に満たない「短期トレンド」

3 メジャートレンドには3つの局面がある

1 アキュミレーション局面(accumulation:蓄積)
 
 賢い先行型の投資家が、上昇トレンドを見極めて買い集める段階

2 パティシペーション局面(participation: 参加)
 
 トレンドフォロ-をする多数の投資家が市場に参加し始める段階
   
3 ディストリビューション局面(distribution:流通)
 利食期
 経済統計や報道などの影響を受けて、一般投資家が参加し始める最終局面
 賢い先行型の投資家は、売り抜け始める段階

4 2つの市場平均を確認する

2つの市場平均を確認し、両方に同じトレンドのシグナルが出ることが重要である。
ex. 発案当時のダウ平均株価は「工業平均株価」と「鉄道平均株価」で構成されていた。

シグナルが出るのが同時でなくても、間隔が短い方がより強いシグナルになる
両方に違うシグナルが出ている間は、「現在のトレンドが進行中」と判断

5 出来高でトレンドを確認する

出来高は、補完的だが、レンドの信頼性をはかる重要な要素!

出来高は、メジャートレンド(長期トレンド)の方向に沿って増加する。
【メジャーな上昇トレンド】
価格が上昇したら出来高は増加
価格が下落したら出来高は減少

【メジャーな下降トレンド】
価格が下落したら出来高は増加
価格が上昇したら出来高は減少

メジャートレンド価格出来高
上昇上昇増加
下落減少
下降下落増加
上昇減少

6 トレンドは明確な反転シグナルが出るまで効力を持つと仮定する

トレンドフォロー型手法の大原則の一つ

サポートライン、レジスタンスライン、価格パターン、トレンドライン、移動平均線等のテクニカル手法を活用して、反転シグナルを見極める。

「メジャートレンドの中に現れたインターメディエイトトレンド」と「メジャートレンドの反転のシグナル」の見極めは難しい。ダウ理論支持者の中でも見解が分かれる。
 ex.「フェイラースイング」と「ノンフェイラースイング」(下図参照)

①Bから上昇するも、直前の高値Aの更新に失敗
②Cから下落し、直前の安値Bを下回る。

高値切り下がり(C)安値下回り(S)をもって「売りシグナル」と見る。

ノンフェイラースイングと比べると弱いパターン

①Bから上昇し、直前の高値Aを更新
②Cから下落し、直前の安値Bを下回る(S1)。
※ここでは売りシグナルとは考えない。安値Bは下回ったが、高値Aの切り下がりは確認できていないため。
③Dからの上昇で、直前の高値Cの更新に失敗(E)
④Eからの下落で直前の安値を下回る(S2)。

安値下回り(S1)高値切り下がり(E)安値下回り(S2)をもって「売りシグナル」と見る。

ただ、ダウ理論支持者の中でも、S1を売りシグナルと見る者もいれば、S2を売りシグナルと見る者もいる。

終値の使用とラインの存在

終値の使い方
 終値が前の高値を抜くか、前の安値を下抜いた場合に、重要な意味を持つ。
 日中にブレイクしただけではダメ

ライン(揉み合い・保ち合い)
 横ばいレンジのこと(調整局面で現れることが多い)

ダウ理論に対する批判

シグナルの出現を待っていると、値動きの20~25%を取り逃してしまうのでは?
ex. 買いシグナルが出るのは、上昇とトレンドの第二局面(インターメディエイトトレンドで形成された山の高値をブレイクしたとき。大半のトレンドフォロー投資家が参入している段階)


【反論】
そもそも、ダウ理論は、トレンド予測を意図したものではなく、大きな上昇や下降の出現を確認した上で、それに続く値動きを広く捉えようとするのが基本的な考えであり、的外れな批判である。
(※実際、ダウ理論に基づいたシグナルは、値動きの約68%弱を捉えているという結果も過去には出ている。)

わかりやすい解説動画

※ダウ理論の説明は14:00〜
「マーケットのテクニカル分析」をとてもわかりやすく解説している動画。
上記メモの参考にさせていただきました。

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